予言と未来
「だから俺を、生贄として使って下さい。」
――アイカ、御免。
「せめてもの罪滅ぼしを!」
――我儘だよな、解ってる。
例え俺が死んだって、俺が犯した罪は消えないんだ。
「俺が この世界で生きていた意味を、俺に与えて下さい。」
――結局は、俺の自己満足に過ぎないんだ。
生きる事から逃げて、そんな自分の行動を、正当化しているだけ。
「最期くらい、この世界の為に……っ。」
――俺は、逃げます。
地面の砂を掴み、歯を喰い縛るライネスを、女神は見下ろす。
ライネスの考えも、女神にはお見通しなのだろう。
それでも彼女は、微笑んだ。