予言と未来



愛光は だっと駆け出した。



「あ、アイカ!!」



仲間達が追い掛けて来るのを解っていながら、愛光は全速力で走った。



目的の場所に辿り着き、愛光は息を飲んだ。



ライネスと女神と別れた場所。



其処に在ったのは、1つの遺体だった。



誰が やったのだろうか、白く綺麗な手は、胸の上で重ねられ、小さな花が1つ、添えられていた。



漆黒の髪が混じった、メッシュの金髪。
長い金の睫毛に縁どられた瞼。
僅かに微笑んでいる唇。
白く綺麗な肌。



最愛の彼は、今迄 見た中で、1番 安らかな顔を していた。



「……いや……いやああああぁぁああぁっ!!」



その場に泣き崩れた愛光に追い付いた仲間達も、息を飲んだ。



やがて皆の瞳に涙が溢れ、地面を濡らした。



大切な仲間の命と引き換えに、愛光達は空界を護ったのだ。


















予言は、実現した。

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