予言と未来







「……はぁ……。」



服や教科書が散乱している薄暗い部屋の中で、友美は小さく溜め息を ついた。



愛光を裏切り、彼女が行方不明に なり、美雪に いじめられ、友美は不登校に なった。



単位が足りず、留年が決まり、自主退学を したのは、2週間程 前。



対人恐怖症に なりつつある友美は、部屋から出る事すら出来なくなり、呆れた両親には見放された。



でも、どうしろと言うのだろうか。



一歩 部屋から出ただけで震えが止まらなくなる この躰で、働く事なんて出来るのだろうか。



何度も自殺を考えた。



そもそも、愛光を裏切った自分が悪いのだ。だから愛光は消えてしまった。



死んで償えれば。



けれど、臆病な自分はリスカすら出来ない程で。



(……愛光……。)



もう1度だけで良い。私に、笑い掛けて。



私に、勇気を……。



腕に抱いた枕に顔を埋め、小さな嗚咽を漏らした時。



「こら、何 泣いてんのよ。」



聞きたいと願っていた声が、聴こえた。

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