予言と未来
ぱっと顔を上げれば、其処には懐かしい友達の笑顔が在った。
「……愛光? 何で……。」
「御免ね、いきなり居なくなって。」
愛光の謝罪に、友美は ふるふると首を振る。元はと言えば、愛光を裏切った自分が悪いのだ。
「友美、学校 行ってないの?」
愛光の問いに、友美は泣きながら全てを話した。
「……そっか。」
聞き終わった愛光は一言だけ呟いて、友美の横に腰を下ろすと、痩せた彼女の肩を抱いた。
「……あ、いか……?」
「……裏切られて、哀しかった。でも、人間なんだもん、間違いくらい誰だって するよ。」
「愛光ぁ……。」
泣き出してしまった友美の背中を擦りながら、愛光は口を開いた。
「……私ね、ちょっと、旅に出てたんだ。」
敢えて異界に行っていたとは言わない。
「其処で、大切な仲間と出逢ったんだ。」
「…………。」
「私ね、その仲間と一緒に、生きる事に したの。」
「……遠くに行っちゃうって事?」
友美の質問に、愛光は頷いた。