予言と未来
リホに案内されて着いた村は、とても小さな所だった。
村の中心には噴水と広場が在り、其処から四方に道が続いている。右は住宅街、左は商店街、そして愛光達が入って来た道の真正面に在る通りは、緩やかな上り坂に なっていて、綺麗な建物が建っていた。
クリスタルのように綺羅綺羅している水色の壁と、シンプルな装飾。その建物の前で足を止め、リホは上を仰いだ。
「此処は、大聖堂です。大爺様を始め、神官や巫女が暮らしていて、神様を崇めているんです。」
「神様、ですか?」
「はい。4界を創成した神様です。御名はイラ。」
「4界を、って事は、イラ様が人界を創ったんですか?」
愛光の質問に、リホは頷く。
「イラ様は4界を お創りに なった後、天界、地界、人界を護る神を創り出し、自身は この空界を護りました。ですから、空界 以外の3界は、イラ様とは別の神を敬っていると聞きました。」
「へぇ……。」
話が大き過ぎて、愛光は口を ぽかんと開けた。
「……では、アイカさん、準備は良いですか?」
「へっ?準備?」
慌てて訊き返すと、リホは にっこり笑った。
「心の、です。この扉を開けたら直ぐに大広間ですから、村人が待っています。」
リホの言葉に愛光は ごくっと息を飲み。
ゆっくり、頷いた。