予言と未来
「話 変わるけどさ、リホは いつ迄 敬語なの?」
昨日ウィンが、皆タメ口と言った後から、愛光や他の皆は仲間を呼び捨てに していたし、口調も堅苦しいのは止めてしまった。
しかしリホだけは、愛光に対して さん付けだし、敬語を崩さない。
「ずっとでしょうね。」
「何で?」
「私、巫女として育てられて来たので……巫女って、俗世との交わりを断って、イラ様の為だけに祈るんです。だから躾は きっちり されたので、今更タメ口は難しいんです。」
「そうなんだ……。」
俗世との交わりを断つ、と言う事は、家族とも会えない、と言う事なのだろう。
愛光が声のトーンを落としたからか、リホは愛光を見て、にっこり笑った。
「大丈夫です。今は皆と旅が出来て、楽しいですよ。」
「……うん。」
リホの言葉に愛光が微笑んだ時、前を歩いていたウィンが振り返った。
「着いたぞ。」
其処は、何も無い荒野だった。殺風景な その空間に、木で出来た家が ぽつんと建っている。
「此処に龍族さんが住んでるの?」
愛光の問いにリホが頷き、彼女等は その家の扉の前に立った。