予言と未来
「か、彼だって言ってたじゃないですか! 一途な所も変わってないって。私、ライネスが好きだから……。」
「……告ったの?」
「いいえ。でも彼は勘が鋭いから気付いているんです。」
(……あぁ、何それ……。)
愛光は内心 溜め息を ついた。
一目惚れしてしまって、性格が悪い事を知って、リホの想い迄 知ってしまった。
(……初恋って言っても過言じゃないのに……玉砕 早過ぎ……。)
今度は愛光が、唇を噛み締める番だった。
「……だから皆さんが彼を悪く言うと、胸が苦しいんです……ああゆう態度が良くないって事は、解りますけど……。」
「でもさぁ、予言には龍族が……。」
「ねぇ、皆おかしいよ。」
またしても愛光は直球を投げ付けてしまう。
「こう言っちゃ悪いけどさ、予言なんて唯の予言でしょ。大事なのは、行動する事じゃないの?」
「…………。」
皆は ぽかんと愛光を見つめ。
にっと笑った。
「そうだな! アイカ良い事 言うじゃん!」
「っ!?」
ウィンに肩を組まれて、愛光は動揺した。人界で ああ言う事を言うと、皆、だってとか そうだけどさとか、困った顔を していた。
(……でも、此処の人達は……。)
本当に、此処なら生きて行ける気がして、愛光も笑顔に なった。