予言と未来
「行ってら、アイカ!」
ウィンが満面の笑みで手を振った その時。
「そうは させん。」
低い男の声が、後ろから聞こえた。
ばっと振り返ると、其処にはマントを着てフードを被った男達が5人。フードの下から覗く黒い瞳が、鋭い光を放っていた。
「誰だ!?」
リーヤが皆を庇うように前へ出ると、マントの5人は一斉にフードを剥ぎ取った。
漆黒の髪、漆黒の瞳、尖った耳、浅黒い肌。全員が似たような容姿だ。
その姿を見て、愛光 以外の全員が息を飲んだ。
「……悪魔……!」
「えっ!?」
ウィンの言葉に、愛光は声を上げた。
(え、悪魔!? 2界を襲っている悪魔!?)
これから倒さなければ ならない敵。
まだ漠然としか意識していなかった敵。
それが、目の前に居る。
「予言が実現しては困るのだ。だから、人間が契約を結ぶ前に、そいつを排除する。」
先程と同じ低い声が、1人の悪魔の口から紡がれる。
「お前等 悪魔が、何で予言の事なんか知ってんだよ!?」
「さぁな。」
ウィンの質問に男が答えた瞬間。
5人の悪魔は一斉に、飛び掛かって来た。