予言と未来



「うわっ!?」



愛光達の中で、1番 弱そうに見えたのだろう、悪魔 全員が、リーに飛び掛かった。


「鎌鼬!!」


直ぐに反応したウィンが魔法を発動し、リーから悪魔を引き剥がす。



「アイカさん!」



茫然と立ち尽くす愛光の手首を、リホが掴む。そして彼女は、契約の門へ向かって走り出した。



「え、リホ!?」

「ウィン達が足止めしてくれます! その間に、契約の門の中へ!」

「そうは させるか!」



リホの動きに気付いた悪魔の1人が、愛光達の目の前に飛び出す。



「炎玉(ファイヤーボール)!」



叫んだリホの手から、炎の玉が飛び出す。



「ぐわっ!」



それは男の胸を直撃し、彼は悲鳴を上げて仰け反った。

(うわっ、アニメみたい!)

危機的 状況の筈なのに、愛光は そんな呑気な事を考えてしまう。



悪魔の脇を駆け抜け、愛光とリホは契約の門の目の前に辿り着いた。



「アイカさん、さぁ中へ!」



リホが そう言い、愛光の背を押した その時。



「うわあぁぁっ!!」



リーヤの悲鳴が、辺りに響いた。

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