予言と未来
「リーヤ!!」
ウィンの悲鳴のような声。
思わず後ろを振り返った愛光の目に、地面に蹲るリーヤの姿が飛び込んで来た。
「リーヤさ――。」
思わず叫んだ愛光の背中を、リホが無理矢理 押した。
「行って、アイカさん!!」
「え、でも……!」
仲間が傷付いているのに、それを見捨てて行くなんて。
しかしリホは、首を横に振った。
「行って下さい。ウィン達が何の為に戦っていると思いますか?」
「…………。」
リホの瞳に浮かんでいる強い光を見て、愛光は押し黙った。
「ウィン達は、この世界を護りたいと思い、戦っているんです。その為に、貴方の力が必要なんです。貴方が魔法を使えないと、この世界は護れないんです。だから…………。」
どんな時でも おっとりしていたリホの、強い言葉。それを聞いて尚、その場に留まれる程、愛光の意思は強くなかった。
「……解った。」
渋々ながらも頷くと、リホは ほっと息を ついた。
「行ってらっしゃい。……待ってますから。」
その言葉に愛光は目を見開き。
ゆっくりと、頷いた。
「待ってて。必ず、力を手に入れて、帰って来るから。」