予言と未来



契約の門の前に立つ。



後ろを振り返れば、リーヤを庇い、傷付きながらも必死に悪魔と戦う仲間達の姿。



そして、少し心配そうな、リホの顔。



(私は、皆を護りたい。)



何故だろう。



この世界に来てから、まだ数日しか経っていないのに。



天界が、この世界の皆が、好きで好きで堪らない。



(きっと、皆が私を必要としてくれてるからだよね……。)



例え それが、“予言の登場人物だから”と言う理由でも。



(必要と されているだけで良い。)



人界では、誰からも必要と されなかったから。



「…………。」



息を深く吸い、愛光は契約の門に、手を伸ばした。

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