予言と未来
愛光が契約の門に入った後。
「よっしゃー! これで お前達の目的は達成 出来なくなったな!」
ウィンが得意気に叫ぶと、悪魔の1人が、ふっと笑った。
「……解ってないな。」
「え?」
「俺達の真の目的は、そいつではない。」
5人の悪魔は楽しそうに笑う。
「お前達の予言に必ず必要に なる、あいつを消すのが、俺達の真の目的だ。」
「まさか!」
何かに気付いたのだろう、リホが息を飲んだ。
「まさか……ライネスを?」
「その通りだ。流石、巫女は勘が鋭いな。」
悪魔達は、馬鹿に したようにウィン達を見遣った。
「例え魔法を使えるように なった所で、人間等 我々の脅威ではない。それならば、お前達を拒み、共に行動しようとしない あいつを狙った方が、遥かに効率的だ。」
「何故それを……?」
ライネスに会いに行き、拒まれた事は、愛光達と大爺様しか知らない事だ。
「俺達 悪魔を、なめて貰っては困る。」
抽象的な言葉しか言わない悪魔に、ウィンは歯軋りを した。
「……ライネスの所に、どれ程の悪魔を?」
冷静なリホの問いに、悪魔は益々 笑みを深める。