予言と未来
目の前に飛び込んで来た悪魔を倒した その時。
「っ!!」
耳元で ふっと言う風の音が聞こえ。
気付いた時には、がっと言う嫌な音と共に、ライネスの躰は横殴りに吹き飛ばされていた。
「……ぐっ……。」
地面に躰が もろに打ち付けられ、肺から全ての空気が抜ける。それでも直様 起き上がり、バク転を しながら悪魔と距離を取る。
見れば、先程迄 倒れていた場所が、焦土と化していた。
強力な魔法を放ったのだろう、悪魔のリーダーは、楽しそうにライネスを見つめる。
「へぇ、さっきの攻撃を受けて直ぐに動けるなんて、やるじゃん♪……でも。」
「うっ……。」
再び剣を構えようと したライネスは、強い眩暈に襲われて、その場に膝を付いた。
「躰にダメージ、行ってるよね。」
「…………っ。」
ぐにゃぐにゃと視界が歪み、答える事すら出来ないライネスの こめかみから、生温かい鮮血が、顎を伝って地面を濡らす。
「さぁ、終わりだ。」
「…………!!」
リーダーの残酷な微笑みを見て、ライネスの背筋に悪寒が走った。