予言と未来







「此処が……門の中?」



愛光が目を開けると、辺り一面 真っ白な世界が広がっていた。



その時。



《其方が、新しき契約者か。》



美しい女性の声が、耳に飛び込んで来た。



「め、女神様ですか?」

《如何にも。》



恐る恐る尋ねると、彼女――イラは肯定した。



「初めまして、愛光と申します。」

《知っている。私はイラ。其方も私の事を、リホから聞いているであろう?》

「はい。」



愛光が頷くと、イラは くすりと笑った。



《良い目を している。其方ならば、悪魔を退けてくれそうじゃ。》



姿が見えないイラの言葉を、愛光は黙って聞いていた。



《それでは、契約を交わそう。アイカ、其方は、何の為に力を求める?》

「何の、為に……?」



反芻すると、イラが頷いたのが解った。



《力は、術者によって善にも悪にも なる。また、術者の目的に応じて属性を変える。例えば、リホなら炎、ウィンなら風と言うように。》

「…………。」

《其方は、何を望む? アイカ。》

「私は……。」

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