予言と未来
そう言って再び ふらふらと歩き出したライネスの腕を、愛光は離した。
しかし無言で仲間に目配せし、愛光は彼の後ろを付いて行った。
リホ達も、愛光を追い掛ける。
ライネスが家に入ると、愛光も勝手に家の中へ。そしてキッチンの椅子に腰掛け、当たり前のように寛ぐ。
「ねぇ、悪魔達ね~、貴方が私達に付いて来ないで別行動してるから、殺しやすいと思って襲ったんだって~。」
「…………。」
のんびりと話し掛けて来る愛光を、ライネスは嫌そうな顔で睨む。
「だから私達と一緒に来れば、もう こんな事に ならないよ~。」
「…………。」
ライネスは無言で寝室へと入って行くが、苛々しているのは手に取るように解った。
「だから大人しく来なよ~。」
楽しそうな愛光の様子に、リホ達は苦笑いを浮かべる。
「……それは前に断った筈だ。後、誰に断って中に入って来た。」
「細かい事は気にしないの~。」
「細かくない。」
鋭い突っ込みを入れたライネスを見て、愛光は面白そうに笑った。
「何で そんなに嫌がるの? 強いのに。」
そう。50人もの悪魔と戦って頭を怪我しただけで済んだライネスは、とても強い。
その事は、空界へ来て数日しか経っていない愛光でも、直ぐに解った。