予言と未来
嫌われ者
翌朝。
ライネスの家の前で ゆっくりと躰を解す愛光に、呆れたような顔を したウィンが、声を掛けた。
「ちょっと、アイカ。ほんとに大丈夫なの?」
「大丈夫だよ~。てか魔法って どうやったら使えるの?」
「……大丈夫じゃねェじゃん。」
「アイカさん、心配ですから、ちょっと手解きしますね。」
割って入ったリホの言葉に、リーとレイムも こくこくと頷いた。
「魔法は、前に説明した森羅万象に宿る神霊と、呪文で契約して発動します。私達のように何度も魔法を使っているならば、契約せずに、直ぐ発動 出来ます。」
「ウィンが、“鎌鼬”って言うだけで使えたのは、それ?」
「はい、その通りです。」
愛光の質問に、リホは頷く。
「ですから、まだ1回も魔法を使った事が無いアイカさんは、ライネスとの戦闘の最中に、光の神霊と契約を結ぶ事に なります。」
「結構 危ない事だよ。」
リーの深刻そうな声に、愛光は笑顔を作った。
「面白そうじゃん、それ!」
「は!?」
思わずウィンが訊き返すと、愛光は益々 楽しそうに笑う。
「そんなスリル在る体験、向こうじゃ味わえないもん。」
「……ライネスも殺しはしないと思いますが……。」
リホが困ったように呟く。