予言と未来
「どうして?」
「アイカぁ、聖属性の魔法って、何が出来るか知ってる?」
きょとんとしている愛光の質問に、レイムは溜め息を つく。
「回復系、補強系。これくらいしか使えないの。」
「つまり?」
「だからぁ、相手を直接 攻撃 出来ないの。うちは、ライネスみたいに武器が使えるって訳でも無いし。出ても勝てないよ。」
レイムの説明に、リホが頷く。
「天使はサポート系が多いですもんね。」
「じゃ、レイム以外の皆は出るって事で、決まりだな!?」
「俺も出ない。」
張り切るウィンの言葉に答えたのは、ライネスだった。
「なっ、何でだよ!?」
「面倒臭いから。」
突っ掛かるウィンと、壁に凭れて平然としているライネス。
「理由に なってない。」
愛光が そう言うと、ライネスは溜め息を ついた。
「……お前さあ、初対面の時から思ってたけど……一々 五月蝿い。」
「う、五月蝿いとは何よ! 私は唯……。」
「出たくないから そう言ってるんだ。何が悪い。」
「……魔法 覚えたばっかりの私に、負けたくせに。」
「あっ、あれは、お前が初心者だから、手加減してやって……。」
「あーあー、弱い犬程 良く吠えるわ。」
「……何だと?」
“弱い”と言った瞬間、ライネスの表情が変わった。