恋愛は他人を中心に廻っているらしい
何故か、自分よりはるかに背の高い男(イケメン)に、おお泣きされている。
仕方がないので、柔らかそうな男の髪を、子供にするようにゆっくりと撫ぜる。
まあ、気のすむまで泣いたら、放してくれるだろうとため息を吐きながら。
自分はなにやっているんだろうかと思案する。
名前も顔も、知らない男の、恋愛事情に巻き込まれている事には、まちがいない。
ここまで、自分とあまり関係ない人間を、ある意味、慰めているのも何か、かなり可笑しくてやっぱり、溜息し、誰に向けるでもなく苦笑いしか出なかった。
「本当に、ありえねーわ」