【実話】あなたに会えて。


二次会会場に着き、私は一番奥の端に座った。


向かえ側にサッチ、私の横には課長さん。


佐川っちはパートのおばちゃんに呼ばれてそっち側に行った。




課長さんはすごく優しい、お酒の飲まない課長さん。


(まいちゃんはお酒強いね〜。今日は沢山飲みなさいね。)




《あっ。はい。ありがとうございます♪》




サッチはパートのおじちゃんとデュエットでもしよぉかと盛り上がっていた。




私はひたすら飲んでいた。



さっきまで隣に居た課長さんは、カウンターでスナックのママと話していた。





『マイち〜ん!飲んでるかぁ??』




課長が座っていた席に佐川っちが座って来た。





《飲んでますよ〜。》




『お前さっきから見てっけど全然酔わねーな!!そんなんぢゃ駄目だ!!日本酒飲めっ!!』





《えっ〜!!日本酒何て無理ですよ!》



私は日本酒を飲むと、すぐ酔ってしまうのだ。



お店でお客さんに飲まされて歩けなくなった事があったので、それから日本酒は飲まないよぉにしていた。




『良いから飲めって!!
あのな??嫌な事があった時は記憶ぶっ飛ぶくらいのんでも良いんだぞ??』




何?
なんで?




《嫌な事…??あの…
何が言いたいんですか?》




『何かあったんだろ??
実は俺知ってんだぁ〜
サッチとマイちん仕事中話してんのチラッと聞こえちゃった…』




タクくんの事聞こえてたんだ…





《ハハハ〜(笑)聞こえてたんですかっ!!あの事なら大丈夫ですよ!!》





『お前無理するなって!!本当は大丈夫ぢゃねーくせに!!』





《佐川っちにはわかりませんよ!!マイの気持ち何て。。》






タクくんのあの事件を思い出すたびに私は涙が出てた。。




もぉ大丈夫。もぉ大丈夫って自分に言い聞かせてた。



あの時。
佐川っちが無理するなって言ってくれて。


すごく嬉しかったよ。。




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