淡く儚い月に見守られ
「大丈夫だって言ったろ? 心配し過ぎなんだよ杏奈ちゃんは、それに僕は杏奈ちゃんとのスキャンダルなら全然オッケーだよ」

突然の遥翔の思わぬ発言に頬をポッと赤く染める杏奈。

「遥翔さんたら突然何言っているの? そんなお世辞言われたら嬉しくなっちゃうじゃない」

この時杏奈は遥翔が尋ねてくれた事で気が紛れ恐怖感が薄れていた。

「杏奈ちゃんやっぱり今日は一日オフになっちゃったのかぁ、でも逆にその方がよかったんじゃない? 今日一日ゆっくり休むと良いよ、体も、もちろん気持ちもね」

「はいっそうする事にします。だけど遥翔さん、今日仕事はどうしたんですか?」

「今一本終わって次の仕事まで時間が空いたんだ、だから杏奈ちゃんは心配しなくて大丈夫だよ。それより杏奈ちゃんこれから住む所どうするの、ずっとここにいる訳にもいかないでしょ? もちろんあのアパートも引っ越さないといけないだろうし」

遥翔の問い掛けに再び落ち込んでしまう杏奈。

「分かりません、これからどうしたら良いのかさえ全然」

「それならさあ、僕が住んでいるマンションに来ない?」

ベッドにちょこんと座る杏奈の隣にゆっくりと腰を下ろしながら言う遥翔、対して杏奈はこの遥翔の発言に対し再び頬を赤らめていた。
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