淡く儚い月に見守られ
「さすがは亜梨紗さん、これまた超有名人じゃないですか、ですがこちらは別料金になりますが」

「分かったわよ、ちゃんと払うから調べて頂戴」

「分かりました、お任せください」

その後佐竹からの報告は予想よりも早く、二週間ほどで受けることが出来た。

「意外と早かったわね」

「いえ手間が一つ減ったもので」

「それどういう事？」

「とにかくご覧ください、こちらが報告書になります」

佐竹は報告書を亜梨紗の前に差し出す。

「亜梨紗さん驚きましたよ、この二人どこに住んでいたと思います？」

「勿体つけなくていいから早く言いなさいよ」　

苛立ちの言葉を投げつけるとそんな亜梨紗に説明を続ける佐竹。

「なんと二人は同じマンションに住んでいたんですよ」

「それどういう事よ、まさか二人は同棲しているって事じゃないでしょうね？」

佐竹の思わぬ発言に亜梨紗は思わず声を荒らげてしまった。

「いえそういう訳ではないようです。元々遥翔が住んでいたマンションに空き部屋があったようで、その空き部屋に杏奈が越してきたようです」

「という事は二人は同じ屋根の下に住んでいるって事？」

「結果的にはそうなりますが、でもそこはマンションで部屋は別ですし二人の部屋があるフロアも全然違いますから」
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