淡く儚い月に見守られ
「今回初めて演技をしてみてもちろんうまく出来なかったのも悔しいんだけど、でもそれ以上に楽しかったんです。出来なかった事が出来るようになると嬉しいんですよね。モデルとしてデビューしたけど演技の仕事をするのも良いかなって、まだまだ演技下手ですけどね、おかしな話ですよね、たった一度ＣＭの撮影で演技をしただけなのに。でも今回の仕事で演技の仕事も頑張ってみたいなって気になれたんです。だから疲れたって言っても心地いい疲れと言うか、なんかそんな感じなんですよね」

「僕もそうだよ、モデルとしてスカウトされてデビューもモデルだったけど、今ではスーパーアイドルなんて言われて歌手として成功している」

「そう言えば遥翔さんのデビューもモデルでしたね、それなのにアイドルとしてこんなに成功してすごいなぁ？」

もう一度ＣＭ撮影に話を戻す遥翔。

「そっか、君も今回のＣＭ撮影で演技をする楽しさに目覚めたって事なのかな？」

「そうなんでしょうか」

「きっとそうだよ、さぁ冷めないうちにコーヒー飲んで」

「はい、いただきます」

そしてコーヒーを一口飲む杏奈。
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