淡く儚い月に見守られ
「このコーヒー美味しいですね、あたしサイフォンで淹れたコーヒー飲むの初めてです」

「サイフォンと言っても電気式だけどね」

「それでもおいしいです。きっと遥翔さんの事だから豆も良いのを使っているんだろうなぁ?」

「そんな事ないよ、普通に売っているのと一緒だよ!」

「そんな事ありますって、ほんと美味しいですもん」

「そうかな? そう言ってくれると嬉しいよ。ありがとな」

 ここで思い出したように遥翔が杏奈に語り掛ける。

「そうだ、杏奈ちゃんスマホ持ってきたでしょ、ちょうど二人そろったことだしラインの友達登録しちゃおうか? 杏奈ちゃんのスマホ貸して」

「はい」

一言つぶやくように言うとスマホを差し出す杏奈。

杏奈の真新しいスマホを受け取った遥翔は最新のスマホにうらやましくなってしまう。

「かっこいいスマホじゃない」

「そうですか?」

「そうだよ、僕も新しいのほしくなっちゃうなぁ」

そして自分のスマホも取り出し登録作業を始めると、しばらくしてスマホを杏奈に返した。

「はい終わったよ、これでいつでもラインで会話できるからね、それにこれならライン電話だってできるしね」

「ありがとうございます」
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