淡く儚い月に見守られ
「大変なんですね芸能人のみなさんて」

「ほんとアイドルやっていくのも楽じゃないよ。僕がどんなに恋愛感情の無いただの友達だと思っていても、その相手が女性だと普通に友達として会っているだけでマスコミは付き合っているんじゃないかと追い掛け回すしね。それに本当に付き合っていた人たちの中にはマスコミに追い掛け回されたのがきっかけで引き裂かれたカップルもいるんだ」

「そうなんですか、なんかひどいですねマスコミの人たちって。ネタの為なら人の幸せを壊しても良いって思っているのかな?」

(今まで芸能人の人達って華やかな世界にいる人達って思っていたけど、こういう話を聞くと何だか気の毒になってきちゃったなぁ?)

ところが遥翔からは意外な言葉が返ってきた。

「彼らもそれを仕事としてやっているからね、なにも最初から人の幸せを壊そうと思ってやってないよ」

(遥翔さんどうしてそんなにやさしいの? もっと怒っていいと思うけどなぁ)

更に続ける遥翔。

「それに恋愛禁止とかいう女性アイドルグループもあるけどそれには僕は反対なんだ。別に彼女たちのファンとかでもないし擁護する訳でもないけどあのくらいの年齢の子たちって恋をして当然でしょ?」

「確かにそうですね、なんか自由に恋愛もできないなんてかわいそうだな?」

遥翔はさらに続けるが、そうするうちにだんだんと怒りが込み上げてきた。
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