淡く儚い月に見守られ
「そうだね、さすがに不倫とかってなるとまずいけどそうでなければ悪い事ではないと思うんだ。それに恋をする事で恋愛の歌を情感こめて歌えるようになると思うんだよね。それなのに恋愛がばれたら悪い事でもしたかのように攻められる。それっておかしいと思わない? ファンの人たちだって自分には彼氏や彼女がいるのに応援しているアイドルに恋人がいるとなったら気持ちが離れてしまう人もいる。それって不公平だよね、ファンの人たちも本当のファンならその子の恋を応援してあげられるようじゃないと」

つい感情的になってしまった遥翔だが、ここで我に返った。

「ごめん、僕にも無関係の話ではないと思うとつい感情的になってしまって。でも僕たちの仕事ってこういう仕事だからさ」

杏奈は自分の事でもないのに他人の事にまで心配する遥翔の姿に更にファンになっていた。

「良いですよ別に。確かにそうですよね、彼女たちも年頃の女の子なんだから恋をして当然なんですよね」

「僕も含めてアイドルと言う職業をしている以上仕方の無い事なのかな?」

次の瞬間、遥翔は突然思い出したように話題を変えた。
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