淡く儚い月に見守られ
その後畑中はオーディションが終わるのを待ってこの事実を杏奈に告げる事にした。
オーディションが無事に終わると一目散に杏奈の下に駆け寄った畑中は、他の参加者に聞こえぬようそっと杏奈に伝える。
「杏奈大変よ、さっき社長から知らせがあって遥翔が突然膝のあたりを抑えて倒れて救急車で病院に運ばれたって」
「えっそれで遥翔さんの容態はどうなんですか、無事なんですよね」
(一体どうしたんだろう遥翔さん。あの時の膝の様子そんなに悪かったのかな? とにかくなんともなければ良いんだけど、でも心配だなぁ?)
「そこまでは分からないわ、とにかく病院に運ばれたって連絡があっただけで」
「畑中さん今日はこの後仕事ないでしょ、あたしを病院まで連れて行ってください。こんな事態なんだからもういいですよね。それともこんな時でもまだ会うなって言うんですか」
瞳に涙を浮かべ必死に訴える杏奈。
「まさか、すぐに病院に行きましょう」
「お願いします」
こうして杏奈は畑中の運転する車で病院に向かったが、当然のごとくその車中では流れゆく景色を眺める余裕などなくただただ遥翔の無事を祈るばかりであった。
オーディションが無事に終わると一目散に杏奈の下に駆け寄った畑中は、他の参加者に聞こえぬようそっと杏奈に伝える。
「杏奈大変よ、さっき社長から知らせがあって遥翔が突然膝のあたりを抑えて倒れて救急車で病院に運ばれたって」
「えっそれで遥翔さんの容態はどうなんですか、無事なんですよね」
(一体どうしたんだろう遥翔さん。あの時の膝の様子そんなに悪かったのかな? とにかくなんともなければ良いんだけど、でも心配だなぁ?)
「そこまでは分からないわ、とにかく病院に運ばれたって連絡があっただけで」
「畑中さん今日はこの後仕事ないでしょ、あたしを病院まで連れて行ってください。こんな事態なんだからもういいですよね。それともこんな時でもまだ会うなって言うんですか」
瞳に涙を浮かべ必死に訴える杏奈。
「まさか、すぐに病院に行きましょう」
「お願いします」
こうして杏奈は畑中の運転する車で病院に向かったが、当然のごとくその車中では流れゆく景色を眺める余裕などなくただただ遥翔の無事を祈るばかりであった。