淡く儚い月に見守られ
「ほんとだきれい、こんなに明るくても月が見られるんだぁ。こんなに良く見えるなんて知らなかったなぁ。なんだか不思議ですね、まだ周りはこんなに明るいのに、それなのにこんなにきれいに月が見えるなんて」
「そうだろ? 僕はこの淡い月がほかのどんな月よりも好きなんだ」
(今までテレビの向こうで歌う遥翔しか知らなかったけど普段の遥翔ってこんなにロマンチストだったんだぁ? なんか素敵な人だな、今までよりもっと好きになっちゃった)
「そうなんですか、でもほんとにきれいですよね」
「そうだろ? だけどこの月はなかなか見る事が出来ないんだけどね」
ここで突然話題を変える遥翔。
「そっかぁ杏奈ちゃん十八かぁ、十八って事は三月になったら卒業なんだね、もう進路は決まったの?」
「はっきり決まった訳じゃないけど春には上京して向こうで就職したいと思っています」
「この島を離れるんだ」
「両親は残ってほしいみたいだけどあたしがどうしてもって言って島から出る事を許してくれました」
「そっかぁ、じゃあ東京で頑張らなくちゃね。でも大丈夫? 知らない土地に行く事になるんだよ、不安じゃないの? さっきは知らない土地に行くのは怖いって言っていたじゃない。それも東京なんて……」
「大丈夫とは言い切れないけど、でも自分が行きたくて行くんですからこの位我慢しないと。それに住めば都って言うじゃないですか、きっと住んでいるうちに慣れますよ」
そうは言うものの、この時の杏奈の表情にはわずかに不安の表情がうかがえた。
「そうだろ? 僕はこの淡い月がほかのどんな月よりも好きなんだ」
(今までテレビの向こうで歌う遥翔しか知らなかったけど普段の遥翔ってこんなにロマンチストだったんだぁ? なんか素敵な人だな、今までよりもっと好きになっちゃった)
「そうなんですか、でもほんとにきれいですよね」
「そうだろ? だけどこの月はなかなか見る事が出来ないんだけどね」
ここで突然話題を変える遥翔。
「そっかぁ杏奈ちゃん十八かぁ、十八って事は三月になったら卒業なんだね、もう進路は決まったの?」
「はっきり決まった訳じゃないけど春には上京して向こうで就職したいと思っています」
「この島を離れるんだ」
「両親は残ってほしいみたいだけどあたしがどうしてもって言って島から出る事を許してくれました」
「そっかぁ、じゃあ東京で頑張らなくちゃね。でも大丈夫? 知らない土地に行く事になるんだよ、不安じゃないの? さっきは知らない土地に行くのは怖いって言っていたじゃない。それも東京なんて……」
「大丈夫とは言い切れないけど、でも自分が行きたくて行くんですからこの位我慢しないと。それに住めば都って言うじゃないですか、きっと住んでいるうちに慣れますよ」
そうは言うものの、この時の杏奈の表情にはわずかに不安の表情がうかがえた。