淡く儚い月に見守られ
「先生どういう事ですか、どうして遥翔本人にまで転移した事を言うんですか? 先生は最初の告知の時もあっさり本人に言ってしまいました。出来れば隠してほしかった」
その声に渡辺医師は落ち着いた様子で応える。
「五十嵐さん、この病気は隠しておくことが難しいんですよ。たとえ足を切断せずに温存する事が出来ても人工関節を入れるなどの再建手術が必要になります。更に言ってしまえば遥翔さんの場合結果的に足を切断する事になってしまいました。こうなってはもう隠すことも難しくなってしまいます。それに治療をする上でも患者さんに自分がどんな病気か分かって頂いた方がこちらとしても治療がしやすいんです」
「それはそちら側の都合じゃないんですか?」
「確かに治療のしやすさ一点だけを見るとこちらの都合かもしれません。ですがそのほかの点を考えると隠すことが難しいんです。それに患者さん自身も自分がどんな病気か分かっていた方が治療に対するモチベーションも上がると思うんですよ。最近の医学ではガンと言っても決して治らない病気ではありません、ですから最近では告知するのが普通なんです。確かに最初はショックを受けるかもしれません。ですが自分の本当の病気を知る事できちんとこの病気と向き合う事が出来ると思います」
その声に渡辺医師は落ち着いた様子で応える。
「五十嵐さん、この病気は隠しておくことが難しいんですよ。たとえ足を切断せずに温存する事が出来ても人工関節を入れるなどの再建手術が必要になります。更に言ってしまえば遥翔さんの場合結果的に足を切断する事になってしまいました。こうなってはもう隠すことも難しくなってしまいます。それに治療をする上でも患者さんに自分がどんな病気か分かって頂いた方がこちらとしても治療がしやすいんです」
「それはそちら側の都合じゃないんですか?」
「確かに治療のしやすさ一点だけを見るとこちらの都合かもしれません。ですがそのほかの点を考えると隠すことが難しいんです。それに患者さん自身も自分がどんな病気か分かっていた方が治療に対するモチベーションも上がると思うんですよ。最近の医学ではガンと言っても決して治らない病気ではありません、ですから最近では告知するのが普通なんです。確かに最初はショックを受けるかもしれません。ですが自分の本当の病気を知る事できちんとこの病気と向き合う事が出来ると思います」