淡く儚い月に見守られ

その後遥翔はニコッと微笑み、
そしてやさしく語りかけた。

「帰ろっか、もう暗くなるし送るよ」

「はいっ、ありがとうございます」

「礼なんて良いって、
付き合ってもらったのはこっちなんだし、
当然の事だよ、行こっ」

そして二人は、
夕陽の沈んた海を背に杏奈の家に向け歩き出した。

すると目の前の空には、
夜の闇に向かう月が一段と輝きを増そうとしていた。

その後杏奈を無事に家まで送り届けた遥翔。

「ありがとうございます」

「こっちこそありがとな、
それと色々付き合わせちまってごめんな、
すっかり暗くなっちまったな、
家の人に怒られないか?」

「大丈夫です、心配ありません、
それより遥翔さんも気を付けてくださいね、
都会と違って街灯や街明かりがないのですごく暗いですから」

「大丈夫、心配いらないよ
それにこの月明かりだけで充分じゃない? 
この方が風情あるしね」

夜空を見上げながら言う遥翔、
そこへ杏奈が問い掛ける。


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