淡く儚い月に見守られ
「分かったわ、五十嵐さんに頼んでみましょう。上手くスケジュール調整が出来たらあなたも一緒について来て」

「ありがとう社長!」

事務所を後にした遥翔は一度家電量販店で買い物をし、杏奈のアパートに向かった。アパートについた遥翔がチャイムを鳴らすと中から返事が聞こえ、その後杏奈が顔を見せるとその表情は驚きに満ちていた。

「突然どうしたんですか? 遥翔さん」

「杏奈ちゃん嬉しい知らせだ」

「なんですか一体、とにかくあがってください」

その言葉に杏奈の部屋に入る遥翔。部屋に入るなり遥翔は爽やかな笑顔を見せながら杏奈にオーディション結果を知らせる。

「おめでとう杏奈ちゃん、オーディションに合格だ」

「ほんとですか? 合格できるなんて思ってなかったからすごくうれしいです」

満面の笑みで喜びを爆発させる杏奈。

「社長がすぐにでも契約したいって。だけどその前にご両親に挨拶したいそうだ、きちんとご両親の承諾を得ないとね」

「分かりました。でもうちの両親が許してくれるかどうか」


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