淡く儚い月に見守られ
「まだそんな事言っているのパパ、そんな訳ないでしょ。遥翔さんはこの前あたしが上京した時に連絡するまで自分からは一切あたしに電話してこなかったわ、そんな紳士的な人なのよ。良いから最後まで話を聞いて」

そこへ社長の岩崎も割って入ってきた。

「考えてみて下さい上条さん。芸能人の、それも大スターの遥翔が一般人の杏奈さんとアドレス交換をすると言う事は杏奈さんの周りのお友達などに番号をばらされるというリスクを負ってしまいます。それを分かったうえでのアドレス交換だったんです」

「分かったよ杏奈、岩崎さんも分かりました。済まないな遥翔さん話を続けてくれ」

「分かりました続けます。先日杏奈さんが上京した時に僕のケータイに約束通りメールがあったんです。その時は仕事中ですぐに返信できなかったんですが、仕事が落ち着いた後連絡してその後社長と相談の上オーディションを行いました」

ここで社長の岩崎が補足説明をする。

「このオーディションというのは彼女だけのために行い、その上カメラマン等すべてのスタッフは一流の人材を揃えた本格的なオーディションです」

「この結果を受け社長の判断で合格となったわけです!」

遥翔が補足するとそれに直樹が応える。
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