淡く儚い月に見守られ
第五章『デビュー』
東京に帰るとすぐにモデル杏奈としての仕事が始まり毎日計画立ててレッスンとアルバイトに励んでいたある日、レッスンに励む杏奈の下に遥翔が訪れた。

「おはよう、がんばってる杏奈ちゃん？」

「おはようございます遥翔さん、毎日大変だけど何とか頑張っています」

「慣れない環境で大変だろうけど頑張ってね」

「はいっありがとうございます」

数日後杏奈がいつもの様にレッスンルームでレッスンをしていると社長室に呼ばれた。

「あのっ呼ばれたみたいですけど何かご用でしょうか？」

杏奈が社長室に入るとそこには社長の岩崎のほかにもう一人細身のすらりと背の高い三十代半ばくらいの女性が待ち受けていた。

「杏奈ちゃん悪いわねレッスン中に」

「いえ大丈夫です、それより用って何でしょうか？」

「用件ていうのはね、あなたのマネージャーが決まったの。紹介するわね、畑中美咲さんよ」

「畑中です。これからよろしくね」

「杏奈です。こちらこそよろしくお願いします」

この畑中はすらりとした美人だったため初めて会った杏奈は単なるマネージャーではないのではと感じていた。

その畑中から初めてモデルとしての仕事のスケジュールが伝えられる。
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