淡く儚い月に見守られ
「そうなんですか?」

『そうだよ、杏奈ちゃん運がいいんじゃないか? ところで初仕事が決まったって言ったけどどんな仕事なんだ?』

「グラビアの撮影ですって」

『楽しみだなぁ、いつから撮影なんだ?』

「早速明日から撮影ですって、なんか緊張するなぁ?」

『確かに初仕事じゃ緊張するよな、だけどこればかりは慣れるしかないよな? そうか初めての撮影か、精一杯自分を表現して頑張れよ』

「ありがとうございます、頑張ります」

翌日杏奈は畑中と共に張り切って撮影に向かった。

畑中の運転する車で撮影現場に向かう杏奈。

「杏奈、今日はロケでの撮影よ」

「ロケって事は外ですか?」

「そうよ、良い杏奈、現場に付いたらきちんと皆さんに挨拶するのよ。挨拶をする事はどんな世界でも大事な事だけど特にこの業界はそういう事はきちんとしていないと、それが出来ないだけで仕事がもらえない事だってあるんだからね」

「分かりました」

「それと知っていると思うけどこの業界は朝でも夜でもどんな時でもまず会ったら挨拶はおはようございますだからね」

「はい分かりました」

現場に着いた杏奈は車から降りるとまず目の前にいた人物に元気いっぱいに挨拶をした。
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