淡く儚い月に見守られ
第七章『亜梨紗の裏の顔』
その後モデルの仕事はもちろんの事、テレビやラジオの仕事も依然少ないもののコンスタントに入るようになり順調に仕事をこなしていった杏奈であったが、ところが世間に顔が知られるようになると弊害が起きてしまった。
仕事の時は安全の為もありマネージャーの畑中が車で送迎をしていたが、プライベートの時まではそうもいかず一人で出かけていた。
その頃亜梨紗は客もまばらなこんな所にトップアイドルが来るには似つかわしくない、昭和の面影を色濃く残す寂れた喫茶店に昔の仲間である哲弥を呼び出していた。
「なんだ亜梨紗久しぶりだな、元気そうで安心したよ。しかしうまい事やったよな、あれだけ悪だったのが今じゃ清純派トップアイドルだもんな。ほんと世間をうまくだましたよな?」
「その事は言わないでって言っているじゃない何度言ったらわかるの? もう昔のあたしとは違うんだから」
ジロリと鋭い眼光で哲弥を睨みつける亜梨紗。
「そう怒るなよ。悪かったよ昔の事は言わない約束だったよな、分かったからそう睨むなって。それよりなんなんだよ突然こんなところに呼び出して」
「今日呼んだのはお願いがあって来てもらったの」
「なんだよ改まって、お前の方から頼みごとなんて珍しいな?」
哲弥の声に亜梨紗はおもむろにバックから杏奈の写真を取り出した。
仕事の時は安全の為もありマネージャーの畑中が車で送迎をしていたが、プライベートの時まではそうもいかず一人で出かけていた。
その頃亜梨紗は客もまばらなこんな所にトップアイドルが来るには似つかわしくない、昭和の面影を色濃く残す寂れた喫茶店に昔の仲間である哲弥を呼び出していた。
「なんだ亜梨紗久しぶりだな、元気そうで安心したよ。しかしうまい事やったよな、あれだけ悪だったのが今じゃ清純派トップアイドルだもんな。ほんと世間をうまくだましたよな?」
「その事は言わないでって言っているじゃない何度言ったらわかるの? もう昔のあたしとは違うんだから」
ジロリと鋭い眼光で哲弥を睨みつける亜梨紗。
「そう怒るなよ。悪かったよ昔の事は言わない約束だったよな、分かったからそう睨むなって。それよりなんなんだよ突然こんなところに呼び出して」
「今日呼んだのはお願いがあって来てもらったの」
「なんだよ改まって、お前の方から頼みごとなんて珍しいな?」
哲弥の声に亜梨紗はおもむろにバックから杏奈の写真を取り出した。