空の色は何色か
周りは和風の民家であることに加え、
何故人通りの多い所から外れて、
田畑が生い茂る閑静とも言えるこの場所にこの構造物があるのかと思えば思う程に、
不気味に感じてしまうのだろうか。

幼少期に寺の近くに絵本に出てきそうなお菓子の家を模した洋風の廃屋があった。

それをよく魔女の館だと騒いでいた事を思い出す。

そして、その構造物が何なのかと言う答えが玄関であろう場所にあった。

玄関横にある看板に赤間病院と書かれていた。

此処は病院であったのだ。

病院と言えば先ず何を思い浮かべるのかは人それぞれであるが、
私は先ず人の生き死にを思い浮かべる。

その真正面にある玄関を通り、
帰る時にまた同じ玄関を通る患者は必ず全員ではない事を知っているからだ。

裏口の小さな玄関を患者が通る時、
それはもうこの世に存在していない事を意味しているのだ。

その小さな玄関を通るモノは人間ではなく蛋白質の塊なのだと私は知っている。
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