空の色は何色か
此処は病院の6畳程の広さの一室。

壁沿いに、天井に張り付くような鼠色の6段スチール製の本棚が白の壁に沿って、
出入り口を除く四方と部屋の中央にA3サイズの冊子を収納している。

そのラックの1段1段に1~200、200~400と番号を振られ並んでいる様だ。

サイズは一緒でも1冊、1冊同じ厚さの冊子は存在しない。

厚紙5枚分の冊子もあれば、
週刊少年誌の様な厚さの冊子もある。

一番新しい番号は9000番台であり、
冊子の量が少ないが番号が古い1000番台等の段は隙間が無い程埋まっている。

完結に言えば1~4000番台までの段は隙間が無い位埋まっているのだが、
そこから7000番台からは番号進むにつれて隙間が出来きているのだ。

なので9000番台の段は冊子が10冊とない。

この冊子は一体何であるかという答えは、入口側にあった。

入口側、即ち廊下側からカルテ庫と書かれているプレートがあった為だ。

という事はこの場所に収納されているカルテはもう外来受診用か、
入院用かは定かではないが、
カルテと言うものは極論常に使う物である。

カルテ庫に保管されるという事は、
この病院に入院もしくは外来に行く必要がなくなった事を意味する。

きっと大半は治癒か軽快した人達なのだろう。

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