嘘吐き
ある程度ゲームをやった後は、普通の子達の様に夕食を食べて

歯磨きをして寝る。




次の朝は少し違っていて、なるべく早く起床し朝シャンをする。

シャワーを浴び終わる頃には、丁度朝食ができており実に快適だ。

そしてチャッチャと朝食を食べて学校の準備をして、コートを羽織って家を飛び出る。

冬の朝は凄く寒い。

霧で前が見えないほどにね。

しかもこの時、寒さ対策の為に僕はやってはいけない事をしている。

なんとヘッドフォンを耳当て代わりにして、曲を聴きながら通う。

低学年達はこれを嫌な目で見てくるが、僕のニヤけ顔にビビッて

注視をしてくる奴はほとんどいない。

しばらく歩くと必ず会う奴がいる。



 「うっわ…涼太…」



クラスメイトで舜の親友の柏木涼太。

登校はほぼ毎日、こいつと行っている。

まぁ、時々湊も加わるが…

今日は寝坊をしたみたいだな…。



 「おっは、遥…ちょ、またヘッドフォン登校?」



 「ああ、悪いか!!」



 「悪くない……のかぁ?」



 「いいじゃんか!」



二人で雑談をしながら忌々しい小学校を目指す。

門を越えた瞬間、僕の最低な一日が始まるのだ。
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