嘘吐き
すると何故かしばらく沈黙が続いた。

僕も笑顔のまま固まり、冷や汗が首筋を伝う。

そして三人は顔を見合わせると、同時に吹き出した。




 「ちょっと、何だよ!!その反応!!」



かぁぁ、と頬が熱くなるのを感じた。

そんな僕に後ろから抱きつく湊。



 「遥ちゃん、好きな人いそうだよね~」



 「ごめん、マジでいないんだわ」



真顔+棒読みで答えたあと、菜月に湊を殴ってもらい

湊を引っぺがした。



 「ね、ハルちゃん……最近変わったよね…」



 「は?そうかな…僕的には全然だと思うけど…」



 「俺もそう思った…。お前、初めて会った時…かなり性格が酷かったじゃないか…。」



 「あー…そっかぁ…」



口元が自動的にニヤける。

軽くつった目が見開かれ、不気味に笑ってみせた。

それが僕の最高の嘘をつく前兆。



 「ちょ、ハルちゃん…?」



 「そんな事あったんだぁ…。てか、あん頃はさ…俺、友達とかいらなかったし…」



ほら…また嘘を吐いちゃったよ……。

ホントは寂しかっただけなんだ……。
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