テイスト・キッス。【短編】
彼が好きだから、キスしたいんだ。
あたしはいつの間にか彼に囚われている。
「Trick or Treat」
「え?」
突然の私の言葉に、彼はきょとんとした顔をした。
あたしは彼の耳元に唇を寄せ、もう一度囁いた。
「甘いキスくれなきゃ、いたずらしちゃうよ?」
END.
―――次の日、あたしは重度の貧血で起き上がることが出来なかった。
まぁ、いいか。
お見舞いに来た彼が、甘いキスをくれるから。
でも、首筋へのキスはもう少し我慢してね。