今すぐここで抱きしめて
飯田くんは腕を掴んだまま、何も言わない。
おもいきり腕を振り切ってもびくともしなくて、
「何もないなら離してくれない?」
そう言っても、掴まれている腕に圧がかかるだけだった。
「もう、いい加減にっ、ちょっ……」
ずっと視線を避けて前だけ見ていたけれど、いつまでも離してくれない飯田くんに業を煮やして、振り返ったと同時に抱きしめられた。
すれ違う人が何事かと不審がりながら通り過ぎていく。
「やだ、離してってば!!」
腕の中で必死にもがいても、がっしり抱きしめられた腕は簡単にはほどけなくて、
山瀬さんとは違ったフローラル系の香りが私を少しクラクラさせた。
わたし、今、何してるの?
なんで、飯田くんの腕の中にいるの?
混乱する頭の中の問いに答えなんて見つからず、結局、彼が話し出すまで身動きがとれなかった。
おもいきり腕を振り切ってもびくともしなくて、
「何もないなら離してくれない?」
そう言っても、掴まれている腕に圧がかかるだけだった。
「もう、いい加減にっ、ちょっ……」
ずっと視線を避けて前だけ見ていたけれど、いつまでも離してくれない飯田くんに業を煮やして、振り返ったと同時に抱きしめられた。
すれ違う人が何事かと不審がりながら通り過ぎていく。
「やだ、離してってば!!」
腕の中で必死にもがいても、がっしり抱きしめられた腕は簡単にはほどけなくて、
山瀬さんとは違ったフローラル系の香りが私を少しクラクラさせた。
わたし、今、何してるの?
なんで、飯田くんの腕の中にいるの?
混乱する頭の中の問いに答えなんて見つからず、結局、彼が話し出すまで身動きがとれなかった。