sweet memory
淳平は、花菜を元気付けようと色々な場所に連れ回した。
すると、あるホテルの前で1組の男女が目に入った。
「あっ……」
「花菜ちん?どうかした?」
「い、いえ…何でもないです」
「そう?」
「はい…。あの、そろそろ家に帰ります。安藤さんも仕事がありますよね?」
「…もう大丈夫?」
「はい。ありがとうございます」
そう言うと、花菜は瞼を閉じて、泣き
そうになるのを堪えた。
先ほど見た1組の男女は、間違いなく奏大とあの女性…野上麻衣だった。
花菜は校門の所で言われた言葉が頭から離れなかった。
そしてこの日を境に、奏大が帰ってこなくなったのだ。
花菜の精神が壊れるまであと残り2週間…。