sweet memory
それから一週間、何事もなく、過ごしていた。
今日は穂波とクレープを食べに行く約束をしていた為、駅前まで来ていた。
「んー…やっぱり混んでるわね」
「ここのお店、最近雑誌やテレビで取り上げられているから仕方ないよ」
「どうする?並ぶ?」
「並ぼう、折角来たんだし」
「それもそうね」
そう言うと2人は列に並んだ。
すると、穂波が真剣なトーンで花菜に話し掛けた。
「ねぇ、花菜。何かあったんじゃない?」
「えっ?」
「最近、無理して笑っているでしょ?私だけじゃなくて、あかねさんも律先輩も、隼兄も気付いてたけど、花菜が喋ってくれるのを待っていたんだよ?……本当なら、花菜が喋ってくれるのを待っているべきなんだろうけどさ、私もう見てられないよ…」
「ありがとう、穂波ちゃん」
「…話してくれる?」
花菜は目を瞑って何か考えているようであった。
しばらくして、何かを決心したかのように頷き、今まで花菜が抱え込んでいた事全てを話始めた。
最初は花菜を心配しながら話を聞いていた穂波てあったが、次第に眉間に皺を寄せ、苛ついていた。