sweet memory
「もう奏大くんは貴女の所には帰ってこないわよ」
「えっ?」
「これを見てもまだ気付かない?」
「……あっ…」
「クスッ…気付いたようね」
野上麻衣の首もとを見ると、そこにはうっすらと消えかかってはいるがキスマークが付いていた。
「嘘…」
「見えるところは止めてって言ったのに聞いて貰えなかったのよ。奏大くん、私が心配なん…」
「それ、本当に花菜の婚約者が付けたものなんですか?」
穂波は野上麻衣の言葉を遮って話し掛けた。