sweet memory
お昼休み。
花菜はいつも通り、皆と過ごしていた。
「花菜…大丈夫か?」
「りっくん…」
花菜の様子を心配した律が、声を掛けた。
今にでも大粒の涙が、花菜の目から流れるのではないかというくらい、涙を堪えていた。
「昨日から奏大さんと連絡が取れないの」
「えっ?」
「プライベート用に連絡を入れてるんだけど、どんなに忙しくても返事をくれたのに、それがないの…」
「……仕事用にかけてみたらどうだ?」
「でも…」
「もしかしたら、電源が落ちてるだけかもしれないだろ?仕事用なら繋がるんじゃないか?」
「……」
「それか、兄貴に掛けてみるか?」
律に問い掛けられて花菜が下した決断は、奏大の仕事用の携帯に電話することになった。
それが吉とでるか、凶とでるのか、運命の歯車が動き出す。