sweet memory
「雨宮家に喧嘩を売ったんだから、覚悟できてるんだろうな?」
「……」
「りっくん、そんなの駄目。この人達はりっくんの事が好きだからこんな行動に出ちゃったんだよ」
「だからって、花菜を傷つけて良い理由になんかならない」
「でも…」
「俺は自分が大切にしている物を傷つけられんのが一番嫌いなんだよ」
「りっくん…」
律の鋭い目付きに、その場にいた誰もが身震いした。
そして、何処からか騒ぎを聞きつけた野次馬が、いつの間にか教室の前の廊下を埋め尽くしていたのだ。
その状況に、花菜は驚きを隠せないでいた。
「りっくん…廊下に…人が…」
「ん?…あぁ、野次馬か。………そうだ、ちょうどいい。
おい!お前ら!今度、雨宮花菜に手を出そうもんなら、男だろうが女だろうが容赦しない。もし、傷つけようもんなら、雨宮家を敵に回すと思え!」
「………」
律のドスの聞いた声に、誰もが息を飲んだ。
しかし、そんな状況にも屈せず、口を開いた者がいた。