sweet memory
「心配かけてごめんね?私は大丈夫だから」
「本当に良かったぁ~」
「穂波ちゃん…。…あっ、私の代わりに奏くんに色々説明してくれたんだって?ありがとう」
「ううん…って!花菜っ?!」
「えっ?」
「今、何て言ったの?」
穂波は花菜が奏大の呼び方が違うことに気付き、花菜を問い詰めた。
それはその場にいた、律やあかね、隼大も気付いており、目が覚めてから一体何があったのか、不思議で仕方なかった。
「あっ…私ね…記憶が戻ったの」
「嘘…奏兄…」
「あぁ…」
「そっか…。良かったね、花菜」
「ありがとう」
政略結婚だと聞かされていたこの婚約が、実はお互いが好きで約束されていた物だと分かり、穂波は自分の事のように喜んでいた。