sweet memory
それからしばらくして面会時間が終わり、病室に奏大と花菜以外誰もいなくなると、奏大は花菜を膝の上に座らせた。
「奏くん?」
「どうした?」
「えっ?」
「さっき浮かない顔をしていただろ?」
「……あぁ、もう夏休みなんだなぁ~って思って…」
「………」
「まぁ、一週間以上も寝たきりだったから、仕方ないよね」
「…そうだな」
「まぁ、悩んでても仕方ないよね」
「あぁ…そうたな」
「クスクスっ…奏くん、さっきから『そうだな』しか言ってないじゃん」
「……悪い」
花菜は奏大の言葉に思わず笑ってしまった。
しばらく笑っていた花菜だったが、次の瞬間、思わず笑うのを止めた。
奏大が花菜にキスをしたのであった。
奏大のその行動に花菜は驚いていた。