sweet memory
「準備出来たか?」
「あの…それが……」
「まぁ、ゆっくり選べば良い。時間はたっぷりあるんだからな」
「すみません…」
「リビングで待ってる」
そう言うと、奏大は花菜の部屋を出ていった。
奏大が出ていくのを見て、これ以上待たせられないと思った花菜は、急いで洋服を選び、奏大の元へ行った。
「奏大さん、お待たせしました」
「支度は終わったのか?」
「はい」
「なら行こうか」
奏大に言われて家を出た。
車に乗り込むと奏大は何処に行きたいか花菜に問い掛けた。
すると花菜が選んだ場所は…。
「水族館に行きたいです」
「…水族館…」
「ダメ…ですか?」
「いや…。余程水族館が好きなんだなと思っただけだ」
「良かった。私、小さい頃から水族館が好きなんです。楽しみだなぁ」
目的地が決まり、奏大は車を走らせた。
走行中、花菜は自分がどれだけ水族館が好きなのかを語っていた。
そんな花菜の話を、奏大は止めることなく聞いていた。