sweet memory
「こんなにどうするんだ?」
「えっと、創くんに、安藤さん、こっちはりっくんに、あかねちゃんの分。それからこれは学校の友達の分です」
「そうか。…でも、自分の分はないようだが、良いのか?」
「あっ……」
「…何が良い?」
「えっ?」
「…買ってやる」
そう言うと、奏大は花菜をイルカのぬいぐるみコーナーへと連れてきた。
「どれが良い?」
「えっと…。あっ、これが良いです」
「わかった」
そう言うと、奏大は花菜から手を離し、かごを持ってレジに向かった。
「奏大さん!?自分で払います!それにお小遣いまで貰ってるし…」
「それは、遊びに行くときに使えばいい。俺と一緒にいるのに、お前がお金を出す必要はない」
「でも…」
「俺がそうしたいんだ。お前は甘えておけ」
「…はい」
「それで良い」
そう言うと、奏大はレジでお会計を済ませた。
花菜はと言うと、奏大が戻ってくるまで近くにあったベンチに座って待っていた。