sweet memory
「待たせたな」
「いえ、ありがとうございます」
「ほら」
「これは?」
「…ストラップだ」
「えっ?」
「欲しかったんだろう?」
「でも…これ…」
「何か問題でも?」
「いえ…。でも、奏大さん良いんですか?」
「俺が買ってきたんだ。嫌なら買ってこない」
「!…ありがとうございます」
花菜は奏大からイルカのストラップを受け取った。
実はこのストラップ、ペア物であり、花菜がお土産を選んでいる時から気になっていた物であった。
ペアのストラップとなると、必然的に奏大と付けることになる。
欲しいなと思っていても、花菜には言い出す勇気がなく、ストラップ売り場に目線を送っていた。
そんな花菜の視線に気付いたのだろう。
奏大がそのストラップを買ってきたのだ。
花菜は奏大の行動に喜んでいた。